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職場の心理的安全性が低くなる原因とは?

【記事最新更新日:2024年9月9日】

今回は、心理的安全性が低い職場の特徴や、心理的安全性が低くなる原因、職場の心理的安全性の高さをチェックする方法などを紹介します。

社員のやる気を上げ、チームの結束力をアップするには、この心理的安全性を高めることが特に効果的とされています。

職場の活気がなかったり、どこかピリピリしていたりする。社員の離職率が高いなどの悩みをお持ちの管理職・リーダーの方は、ぜひこの記事で職場の心理的安全性をチェックしてみましょう。

※職場の心理的安全性が高くなる方法を知りたい人はこちら→『職場の心理的安全性を高める方法とは?メリットと具体的な方法4つを解説

職場の心理的安全性が下がる原因「4つの不安」


心理的安全性 下がる 原因 4つの不安

心理的安全性を提唱した組織行動学者エイミー・エドモンソンによると、職場の心理的安全性が下がる原因は社員が抱く「4つの不安」にあるとされています。

以下、4つの不安について、それぞれ詳しく解説していきます。

①無知だと思われる不安
②能力が無いと思われる不安
③邪魔をしていると思われる不安
④ネガティブだと思われる不安

①無知だと思われる不安

業務中わからないことがあっても、メンバーや上司から「なぜそんなこともわからないの?」「どうして自分で調べないんだ」などと叱責されることを恐れ、感じる不安です。

無知だと思われる不安は、社員を質問しづらくさせ、結果としてメンバー同士のコミュニケーションを減らしてしまいます。

②能力が無いと思われる不安

仕事でミスをしてしまったときに、メンバーや上司から「仕事ができない人」と思われることを恐れ、感じる不安です。

この不安により、社員はミスをしても報告しづらくなったり、ミスを隠してしまったりするなど、自分の失敗・弱点を職場で認められなくなる傾向が出てきます。

③邪魔をしていると思われる不安

社内の会議や意見交換の場で、自分の意見を出すことにより「議論の邪魔をしてくる人」と思われることを恐れ、感じる不安です。

この不安があると、会議や社内のコミュニケーションの場などで、社員は自分の意見やアイデアを提案しなくなり、会社のイノベーション(改革・発展の機会)がなくなってしまう可能性が出てきます。

④ネガティブだと思われる不安

業務や社内の規則などについて改善案を提案したくても、「会社や人の意見を否定する人だ」と思われないか恐れ、感じる不安です。

この不安を感じると、現状に不満や意見があっても、その意見が否定的かもしれない懸念があれば、社員は自分の考えを言わなくなります。また、他の社員・上司に対して警戒心を抱き、コミュニケーションが控えめになったり、自分本来の姿を隠して働くようになったりする恐れがあるでしょう。

これら4つの不安を抱えている社員には、どのような特徴があるのでしょうか。以下では、心理的安全性が低い職場にいる社員の特徴を解説していきます。

心理的安全性が低い職場にいる社員の特徴


心理的安全性 低い 職場 社員 特徴 自己呈示行動

4つの不安を抱えやすい職場では、社員が不安を払拭するために、「自己呈示行動」を行なうことで本当の自分を偽りながら働いている恐れがあります。自己呈示行動が具体的にどのような行動を指しているのか、以下の説明を見てみましょう。

自己呈示行動とは

自己呈示行動とは、他人とのコミュニケーション中、自分が相手からどのように見られているのかを考慮し、自分に対する認識・イメージを操作しようとする行動を指しています。

自己呈示行動にはいくつか種類があり、具体的には以下のようなものがあります。

行動内容具体例
恩返し、行動の調整自分の行動を相手にとって魅力的なものに見せたり、相手が理解しやすいものにすること•不足した「自分ならうまくいく」という気持ちや感覚を補おうとして、失敗をする
•お世辞をいうことで自分の社会的魅力を高めようとする
・自分の欠点を隠して、いい所だけを見せる
・おきたミスの印象操作、言い訳をする
分身相手に自分のアイデンティティを押し付けること• 他人に自分の要求を聞いてもらうために、攻撃的に怒りを示す

職場の心理的安全性を低く感じている社員は、上記の「恩返し、行動の調整」や「分身」によって、他の社員から身を守ろうとするようになります。そうなると、ミスをするだけではなくミスした事実を隠したり、言い訳をする社員が増えるため、より職場の雰囲気・働きやすさが損なわれてしまうでしょう。

職場の社員が自己呈示行動を過剰に行っているなど、違和感を感じるリーダーの方には、職場で以下の「7つの質問」でアンケートを取るのがおすすめです。

職場の心理的安全性を知る方法「7つの質問」


心理的安全性 職場 チェック アンケート 7つの質問

職場の心理的安全性を知りたい場合には、以下「7つの質問」を社員に行うのがおすすめです。

質問内容
7つの質問
①チームでミスをすると非難されることが多いか?
②このチームは、メンバーで難しいテーマについて遠慮なく意見を出し合えるか?
③このチームは、異なる意見を持つメンバーを拒絶・排除する傾向にあるか?
④チームでリスクのある行動を取るときに、お互いが納得できているか?
⑤チームメンバーに助けを求めづらく感じているか?
⑥このチームのメンバーは皆、自分の成果を認めてくれると感じるか?
⑦このチームで仕事をするとき、自分のスキルが尊重されていて、役に立っていると感じるか?

※引用元:エイミー・エドモンソンの論文
     Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams

アンケートで改善すべき項目がわかったら、実際に職場の心理的安全性を低くしないために、いくつかの施策を行っていきましょう。

心理的安全性を低くしない方法4つ


心理的安全性 低い 職場 方法

では、職場の心理的安全性が低くならないような「仕組み」作りをしていきましょう。

心理的安全性を確保するには、以下4つの方法がおすすめです。

①一人一人が発言しやすい「発言の場」を作る
②発言する目的をチームメンバーで揃えておく
③お互いを尊重しながら意見を交わす
④評価基準を明確にする

※職場の心理的安全性を高めたいリーダーの方はこちら→『職場の心理的安全性を高めるリーダーの行動4つ』

①一人一人が発言しやすい「発言の場」を作る

そもそも心理的安全性が確率されていない職場では、社員が自己表現できていない可能性が高いため、チームリーダーが、チームメンバー全体の発言の場を設けるのがおすすめです。発言に慣れていない社員は、自由に発言できる場所、つまり心理的安全性が体験できる仕組みを用意してもらうことで、安心して発言できるようになっていきます。

また、会議やディスカッションの場で、社員同士が自由に意見を言えているように見えても、実際は特定のメンバーばかりが発言している可能性があります。このような場合には、チームメンバー全員がまんべんなく発言できるよう、リーダーが意識的に発言の少ない社員へ質問するなど、「全員が発言する」意識と環境を作ることが重要です。

メンバー同士でフリーテーマのディスカッションや勉強会、業務時間内での食事会など、カジュアルな会話の機会を設けるのもおすすめです。業務から離れた場所での会話は、社員の緊張感を解くことにも一役買うでしょう。

②発言する目的をチームメンバーで統一しておく

自由に自分の意見を言えることは、職場の心理的安全性を確立するために重要ですが、あまりにも主旨から外れた意見では問題です。周囲から「その発言はいま関係ないのではないか」といった指摘をされてしまい、その社員にとっての心理的安全性が低くなる恐れがあります。

そのため、会議などの前には、発言する目的をチームメンバーで統一しておくのがよいでしょう。会議をする目的、発言する目的を明確にしておくことで、個人個人の発言がより有益なものとなり、会議の時間短縮にも繋がります。また、論点が一致している発言は指摘される恐れが少ないため、自分の意見を聞いてもらえた社員の心理的安全性UPにも繋がるでしょう。

③お互いを尊重しながら意見を交わす

相手を尊重し、自分の意見や感情を対等に伝えるコミュニケーションを、「アサーティブ・コミュニケーション」と呼びます。心理的安全性が低い職場では、相手社員に対する警戒心や恐れによって、意見を素直に言えない社員がいます。

先述した

①一人一人が発言しやすい「発言の場」を作る
②発言する目的をチームメンバーで統一しておく

を実施することで、発言できなかった社員が発言できるようになり、社員同士の意見交換が積極的に行われるようになります。どんな意見でも否定的にならず、話し合える態度をお互いが作っていくことで、職場の心理的安全性が確立されていくのです。

④評価基準を明確にする

どのような成果によって評価されるのかゴールがわからない場合、目標を設定しづらくなり、仕事に対して不安を抱きやすくなるでしょう。このような状況は、職場の心理的安全性を低くします。

そのため、社員がたずさわる業務において、評価されるポイントを社員に明示していきましょう。キャリアアップするために必要なスキル・目標を設定することで、社員は目指すべき方向が明確になり、仕事に対するやる気や安心感を持てるようになります。

また、自分で立てた目標を達成することで達成感を味わい、仕事に対するやる気・職場に対する愛着が、更に湧くことでしょう。この繰り返しが、職場の心理的安全性を確立していくのです。

まとめ


職場の心理的安全性が低くなってしまう原因について、詳しく解説してきました。

心理的安全性が低くなる職場では、社員は以下「4つの不安」を抱えやすい傾向にあります。

●4つの不安

①無知だと思われる不安
②能力が無いと思われる不安
③邪魔をしていると思われる不安
④ネガティブだと思われる不安

不安を感じている社員は、自分を偽り、言いたいことを言えないまま働き続けるため、職場の心理的安全性はどんどん低くなる恐れがあるでしょう。

社員が職場に対してどのような不安を感じているのか調べるために、以下「7つの質問」が有効です。職場の心理的安全性を確かめたいチームリーダーの方は、ぜひ試してみましょう。

7つの質問
①チームでミスをすると非難されることが多いか?
②このチームは、メンバーで難しいテーマについて遠慮なく意見を出し合えるか?
③このチームは、異なる意見を持つメンバーを拒絶・排除する傾向にあるか?
④チームでリスクのある行動を取るときに、お互いが納得できているか?
⑤チームメンバーに助けを求めづらく感じているか?
⑥このチームのメンバーは皆、自分の成果を認めてくれると感じるか?
⑦このチームで仕事をするとき、自分のスキルが尊重されていて、役に立っていると感じるか?

チームの中で心理的安全性が低くならないよう、実際に施策を行っていくことがおすすめです。

以下、4つの方法は、社員一人一人が発言しやすい職場を作り、心理的安全性を高める助けになるでしょう。


●心理的安全性を低くしない方法4つ

①一人一人が発言しやすい「発言の場」を作る
②発言する目的をチームメンバーで揃えておく
③お互いを尊重しながら意見を交わす
④評価基準を明確にする

社員同士のコミュニケーション不足や、職場の雰囲気の悪化、離職率の高さにお悩みの管理職・リーダー職の方は、これらの施策をぜひ試してみてください。

職場の心理的安全性を確保して、社員の定着率・積極性UPに繋げましょう。

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