オウンドメディアリクルーティングとは何かご存じですか? 働き手の価値観の多様化や情報リテラシーの高まりから近年必要不可欠になりつつある採用方法の一つです。今回はこの「オウンドメディアリクルーティング」とは何か、注目される背景やメリット・デメリット、コンテンツ事例まで徹底的に解説、紹介していきます!
目次
オウンドメディアリクルーティングとは
「オウンドメディアリクルーティング」は、「オウンドメディア(Owned Media)」と「リクルーティング(Recruiting)」、2つの単語が合わさった言葉です。
オウンドメディア(Owned Media)とは、自社が保有するメディアのことであり、一般的には自社の採用サイトや、X(Twitter)・Instagram・TikTokといったSNSアカウントのことを指します。しかし、広義の意味ではパンフレットや広報誌もオウンドメディアに分類されます。
リクルーティング(Recruiting)は採用活動という意味ですから、オウンドメディアリクルーティング(Owned Media Recruiting)とは、自社が保有するメディアで自社の魅力を発信しながら採用活動を行うことを指します。頭文字をとって「OMR」と略すこともあります。
なぜ注目されているのか?
近年、オウンドメディアリクルーティングが注目されている背景について解説していきます。
①仕事に対する価値観の多様化
一つ目の背景として、「価値観の多様化」が挙げられます。ワークライフバランスが重要視されていることや、グローバル化の加速等によって、働くことに対する価値観が変化しています。仕事をただ「お金を稼ぐための手段」として考えるのではなく、自分にとってやりがいがある仕事なのか、自分らしく働ける職場なのか等、「自分の価値観と合っているかどうか」が重視されるようになっています。そのため、会社の雰囲気や社内の普段の様子、企業の理念等、企業についての多種多様な情報を提供することができるオウンドメディアが重要になっています。
②求職者の情報リテラシーの高まり
二つ目の背景はインターネット・スマートフォンの普及により、自分が知りたい情報だけを入手できる時代になったことです。これまでは求人サイトや求人情報誌といった限られた場でしか情報は得られませんでした。しかし、現在はSNSや検索エンジン等様々な方法で容易に情報を入手できるようになったため、求職者は膨大な情報量の中で自分に必要なものだけを選択することができます。そのため、企業は数多くの情報の中から求職者に自社を見つけてもらうため、オウンドメディアを立ち上げ、情報を発信していくことが重要です。
③働き手の減少による人材確保の難化
三つ目の背景には、少子高齢化により働き手が減少し、売り手市場となった近年において、優秀な人材を確保することが困難になっていることが挙げられるでしょう。働き手が多かった時代は企業が一緒に働く人を選ぶ側の立場にありましたが、近年は選ばれる側の立場に変わってきています。これにより、求人サイトや情報誌、転職サイトよりも多くの層に自社をアピールすることができるオウンドメディアリクルーティングが注目されています。オウンドメディアは基本的に誰でも見られるため、自社での就労意思をもっていない人にも知ってもらう機会を増やすことができます。
オウンドメディアリクルーティングのメリットとデメリット
続いてオウンドメディアリクルーティングのメリット・デメリットをご紹介していきます。
メリット
①多種多様な情報を掲載できる
オウンドメディアを利用する場合、求人サイトを利用する場合とは違い、掲載できる情報に制限がありません。そのため、自社の魅力を伝えるために様々な情報を制限なく掲載できます。デザインや内容によって、より自社らしさを発揮することが可能です。
②採用のミスマッチを低減できる
先に述べた通り、オウンドメディアを利用すれば余すことなく自社の魅力を伝えることができます。そのため、自社の理念や社風に共感した人材からの応募が増え、採用後のミスマッチが起こりにくくなります。
③掲載期間を自社で決められる
求人サイトを利用する場合、掲載期間が設けられているため期限が切れると掲載していた情報が削除されてしまいます。しかし、オウンドメディアの場合は自社が保有するメディアのため、自社の都合によって掲載期間を決められます。情報が古くなった場合はその都度更新することが可能ですし、新たな情報を追加していくことも可能です。多くのコンテンツを作成して蓄積すれば、検索によって発見される窓口を増やすことにも繋がります。
④自社の認知度を向上させられる
メリット③でも述べた通り、オウンドメディアを継続して利用し、コンテンツを蓄積していけば検索エンジンの検索結果に掲載されやすくなるため、自社について知ってもらう機会を増やすことに繋がります。多くの人の目に留まりやすくなるため、自社の認知度向上も期待できます。
⑤採用コストを抑えられる
オウンドメディアにかかる費用として、SNSアカウントについては即時無料で作成できますが、自社サイト作成の場合サーバー代やドメイン費用等があります。そのため採用に全くコストがかからないというわけではありませんが、運用が軌道に乗れば広告費や求人サイトへの掲載料を削減できるため、長期的に考えれば採用コストを削減することに繋がります。また、掲載期間に制限がないことや、ミスマッチを低減できるという点を踏まえると、かなりコストパフォーマンスの高い採用手法だと言えるでしょう。
デメリット
①効果を発揮するまでに時間がかかる
オウンドメディアリクルーティングは、メリットでも述べた通り継続的に利用し、コンテンツを増やしていくことで発見される窓口を増やし、認知度向上やミスマッチの低減といった効果を発揮する採用方法です。そのため、「今すぐに人材を確保したい」「即戦力が欲しい」といった企業には向かない採用方法です。コンテンツが充実し、軌道に乗るまでの期間や、上記のような採用を急ぐ企業は、他の採用方法と併せて利用する事がおすすめです。
こちらの記事で他の採用方法についてご紹介しています。オウンドメディアリクルーティング以外の採用方法にもご興味のある方は、ぜひ併せてご覧ください!
採用方法9種類紹介! メリット・デメリットも併せてそれぞれ徹底解説
また、ホテル・ブライダル業界に特化した転職サイト「バリプラNext」では、正社員の求人情報の掲載と人材紹介サービスの2つの柱で人材募集をサポートいたしますので、ぜひご利用になってみてください。
②運用に知識が必要であり、手間もかかる
オウンドメディアを利用するため、サイトの運営やSNSでの情報発信に関する知識が必要になります。また、内容に関してもターゲットが目を惹く内容でなければ意味がないため、マーケティングの知識も必要です。
さらに、効果を得るためにはコンテンツを蓄積していかなければならないため、一度サイトやアカウントを作成して終了ではなく、普段からネタ探しや内容の作成といった細かな手間が必要になります。
コンテンツ事例
オウンドメディアリクルーティングを行うにあたり、実際にどのようなコンテンツを用意するべきか、弊社の採用サイト「株式会社バリュースタッフ 採用サイト」を基にご紹介していきます。
事例1:経営者の想いや経営理念
経営者の想いや経営理念は企業の価値観を伝えるのに効果的なコンテンツです。採用後のミスマッチを低減するために有効だと考えられます。
事例2:社員インタビュー
実際に自社でどのような社員が働いているのかを知ってもらうためのコンテンツです。以下のような内容を盛り込むことで、社員インタビューを通して入社後に自社で働く姿をイメージしやすくなります。社員インタビューは他のコンテンツと比較してアクセス数が多く、実際に人気が高い内容となっているため、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
〈インタビュー内容の例〉 ・入社の決め手 ・仕事のやりがい ・業務内容や一日のスケジュール ・将来のビジョン など |
事例3:働く環境
福利厚生や研修、教育制度といった働くにあたって気になるであろう企業の環境についても掲載しましょう。近年はキャリア形成やキャリアアップのための環境が整っているかどうかを重要視する求職者が増えているため、重要なアピールポイントとなります。
事例4:お役立ち情報
検索によって発見される窓口を増やすため、お役立ち情報としてコラムを投稿することも一つの手段です。「就職活動ノウハウ」や「業界・職種について」の解説等、まだ自社や自社業界について知らない人にも見つけてもらえるような内容を記述しましょう。
まとめ
今回は近年注目を集めている採用方法の一つ、「オウンドメディアリクルーティング」について紹介・解説してきました! インターネットやSNSを利用することが当たり前になった現代において、オウンドメディアリクルーティングは有効な採用方法の一つと言えるでしょう。
しかし、成果を上げられるようになるまでは時間がかかるため、長期的な採用計画を基に運用していく必要があります。他の採用方法との併用の検討も必要になるかもしれません。自社の採用計画や予算に基づいて導入してみてはいかがでしょうか。